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#05
「忠誠って…」
昨日、あの後ベルリスから鈴を貰った。
どうやらこの鈴は特殊な能力を持っているらしく、鳴らしたらベルリスが私のところにまで助けに来てくれるらしい。
「まぁでもモンスターとかに狙われた時とかには便利…かな…?」
どう使うかは私次第ではあるのだがもし仮に何かあった際には役に立ちそうなので持っておくことにする。
「おはよう。昨日は災難だったわね?」
「いいよ。別に…ここの生徒全員無事だったんだからさ?」
「まぁそうね、でもあんた、大活躍だったじゃない。ハイパースネイクを倒せた生徒なんて今までいなかったわよ?」
「偶々だよ…」
アランを含めた生徒を守る為にハイパースネイクを倒したが、変に目立ってしまった。
一応…喜ぶところなのかな?
「席につけ」
担任の教師が来たので生徒は全員大人しくなった。
「今日は皆に転校生を紹介する」
転校生のイベントなんて知らない。
一体誰が来るんだろうか?すると
「え!?」
突然、扉が開き床の下にレッドカーペットが現れた。
そこに誰かが歩いて教室に入ってくる。
「皆さん、ご機嫌よう」
「お…お姫様!?」
まさかの教室に入ってきたのはこの世界のお姫様だった、
ゲームでは顔だけ出てはいるが、名前が分からないどころか実際に出てきて台詞を話すシーンすらなかった。
なのである意味初対面でもある。
「姫様、せ…席はあのエリムの前です…」
「あらどうも」
私の席の前にお姫様が来た。
「ご機嫌よう。貴方がエリムで?」
「は…はいそうです…」
相手が相手なのでかなり緊張してしまっている。
「私はシャロリア、以後…お見知り置きを」
「よ…よよ…よろしくお願いします…シャロリア姫…」
「そんなにお堅くならないで?シャロリアでいいの」
「じゃ…じゃあシャロリアで」
「えぇ」
性格は良さそうだ。
まだ緊張は解けていないが同じクラスになるのだし、仲良くしていこう。
そして休み時間
「シャロリア、一緒に食べよ」
「あら…ありがとうございます」
何気なくシャロリアに興味があった私はシャロリアと昼食を取ることにした。
ジェシカは今日、違う子と食べているから丁度良い。
「こ…これは…」
「どうかしまして?」
シャロリアはお弁当はかなり豪華だった。
どこで取ってきたかは分からないが、見るからに高級食品を主に扱っていそうだった。
でもお姫様だから当たり前ではあるか?
「ねぇ。シャロリアってどうしてここに転校してきたの?」
「お父様とお母様がここの近くに4軒目の家を建てられましたのでそれで引っ越してここに来ました」
「4軒目…ねぇ…」
お姫様だからなのかもしれないが、会話の単語が途中途中気になるのばかりだった。
「これ食べる?」
「宜しいのですか?では私のも…」
イリスが作ってくれたお弁当のおかずとシャロリアのお弁当のおかずを交換した。
私はそれを、食べてみた。
「うま…」
「とても美味しいです…これは誰が作ってくれたのですか?」
「イリスってメイドだよ」
「そうなのですね。私のもメイドが作ってくださいました」
シャロリアは話しやすく、一緒にいるだけでとても楽しかった。
そうして昼食を取りながら楽しい時間は過ぎていった。
「エリム、ここで初めてお友達になれて私は嬉しいです。ありがとうございます」
「私もシャロリアと友達になれて楽しいよ。ありがとう。これからもっと仲良くしていこ?」
「はい…もしエリムが宜しければ私の家に泊まりに来ませんか?」
「遊びに?…うんっ。いいよっ」
「ありがとうございます。私、とても幸せです。」
会ったばかりで家に泊まるのが引っかかってしまったが、お姫様の家なので大丈夫だろう。
寧ろどんな家に住んでいるのか見てみたい。
そうして学校が終わった後、私は一旦家に帰り、イリスにシャロリアの家に行く話は伝えてパジャマやヘアブラシ等含めた必要そうな道具を持って出発した。
「すご…私に家よりでかい…」
シャロリアに教えてもらった通りの場所に行くと私の今、住んでいる豪邸よりも更に大きい豪邸が建っていた。
「お待ちしておりました。エリム様ですね?シャロリア姫がお待ちです」
「は…はい…」
豪邸の前から数多くのメイドが出てきて私を歓迎してくれた。
案内されてシャロリアがいる部屋まで行く。
「エリム!お待ちしておりました。とても楽しみにしていたのですよ」
「あ…ありがとう」
ここは恐らくシャロリアの部屋だろうか?
想像していた以上のお姫様!って感じの部屋だ。
可愛い家具とか沢山あるしこの部屋を見るだけでも楽しい。
「何かしたいことは?私はこのボードゲームで遊びたいのですが…」
「おぉいいね。それやろ?」
「はいっ」
シャロリアと楽しく遊んだ。
遊んでるシャロリアはお姫様ってよりは1人の女の子に見えた。
「シャロリア様、お食事ができました」
「はい。では行きましょう?」
「そうだね。どんなの出るんだろう?」
メイドに呼ばれたのでシャロリアとついて行く。
机の上に置いてあった料理はなんと豪華な事やら。
昼食のお弁当も凄かったが、それ以上だ。
「いただきます」
「いただきます」
シャロリアのタイミングと合わせて食事の前の挨拶をする。
シャロリアは食べ方もお姫様らしかった。
「あの…エリム…」
「どうした?」
「は…はい。あーん」
エリムがスプーンの上に料理を乗せて私の口元に運んできた。
ジェシカのも同じのやってもらったな。
「あーんっ」
「あら…お上手。これ、やってみたかったのです。初めての相手がエリムで良かったです…」
周りのメイドの目が気になってしまったが、上手く食べれた。
私、あーんは正直好きかもしれない。
次はお風呂。予想していた以上の大浴場だった。
なんかお風呂場なのに噴水とかまである。
そして景色がかなりの絶景
「わぁ…綺麗…夜景が見えるよ…」
「綺麗ですよね」
シャロリアは私の方を見る。
何か顔についてるだろうか?
「エリムを見ていると…いつの日か、夢に見た運命の人を思い出します」
「へぇ。どんな人?」
「はい…まだ私が幼かった頃の話です。お父様とお母様がお仕事で家にいなく、寂しくて泣きながら寝たあの夜…顔も分からない。声も分からないあの人は、夢の中で私をそっと撫でて慰めてくれました。あの日は今でも覚えています。いつかその人に会えたら…って今でも思っているんです。」
「ロマンチックな話だね?で、私見てたらどうしてその人を思い出すの?」
「そ…それは…」
シャロリアは数秒無言になる。
そして
「エリム…」
唐突に私を抱きしめてきた。
「シャロリア…?」
「ようやく…会えました…私の運命の人は貴方だったのですね…エリム」
「私が…運命の人!?」
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