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#06
前回のあらすじ
転校生のお姫様、シャロリアと私は仲良くなり家に招待された。
その後、一緒にお風呂に入っていたところ、唐突にシャロリアは私を運命の人と言い出した。
――――――――――――――――――――
「私!?偶然じゃないかな…?」
「いえ…きっとそうです!」
「と…とりあえず落ち着いて…ね?ゆっくりでいいからさ」
「…はっ!すみません…私ったら…」
「だ…大丈夫だよ」
何かしら感情的になってしまいそうだったシャロリアを、抑える。
「でも運命の人とかロマンチックだな...それが私に見えたってことは、かなりの美人だったりして?」
「えぇ...そうでしたよ」
「うん...」
冗談のつもりで言った筈なのに何故か真剣な眼差しで答えられた。
お姫様にまでモテるなんて参っちゃうな。
「そろそろ上がろ?のぼせちゃうよ?」
「そうですね」
私とシャロリアはお風呂場から上がる。
2人でパジャマに着替えるんだけどシャロリアのパジャマ姿がなんだか可愛い。
こんな綺麗な人から運命の人…私で合ってるのかな…
でもそうだとしたらちょっと私と付き合ってる姿なんか考えてしまう。
「それではエリム、一緒に寝ましょう」
「うん…お邪魔します」
シャロリアの部屋に移動し、さり気なく添い寝に誘われる。
潤いの瞳で見つめてくるので一緒に寝るしかない。
「あ〜…枕気持ちいい…」
よく出来た上品質な枕だ。
これは気持ち良く眠れそうだ。
「おやすみなさい」
「おやすみ」
私とシャロリアは一緒に眠る。
すぐ寝れた。
「すぅ…ん…すぅ…」
「エリム…エリム…」
誰かが私に話しかけてくる。
寝ぼけているからか何がなんだか分からない。
「私は…エリム…」
「エ…エリム!」
「はっ!」
起きた。
多分、シャロリアに起こされたのだろう。
「寝ていたところ、すみません…小腹が少し空いてしまいまして…」
「そっか…じゃあなんか食べれば?」
小腹が空いていたとしても私の手元には食べ物を持ち込んでいないのでそう言われても困る。
「あ…あの…キッチンに軽食があるのですよ…」
「…で?」
「1人で行くの…怖いので…ついてってくれませんか…?」
「いいよ…じゃあ行こっか」
どうしてわざわざ私を起こしたのかがようやく分かった。
広いし夜は暗いので怖いから誰かについて来てほしかったのだろう。
お姫様にも、そういう一面があったなんて…可愛い。
「行こう。キッチンどこ?」
「ここから出て左を曲がって少し奥です…」
「分かったよ」
そうしてキッチンまで行こうとした。
「あ…あの…」
「どうしたの?」
「手…繋いでくれますか…?」
うん可愛い。守ってあげたい。
「いいよ。繋いであげる。離さないでね?」
「ありがとうございます…」
私とシャロリアは、手を繋ぎながらキッチンへと向かう。
しかし、この家…本当に広い。
迷子になってもおかしくはない。
「ここです!」
「ここね…あった」
なんとかキッチンにたどり着いた。
「では…エリムもどうぞ」
「ありがとう」
シャロリアは私と一緒に軽食を食べる。
シャロリアが食べてる姿、なんか見てるだけで心が安らぐ。
「それでは戻りましょう。お部屋に」
「だね」
そうして手を繋ぎながら部屋にまで戻る。
「今日はありがとうございました。私、エリムと遊べて更に夜の小腹まで満たすのを手伝ってくださるなんて…本当の運命の人かもしれませんね?」
「私もありがとう。ってかいいよ。夜、この広さであの暗さなら私でも怖いだろうからさ?またなんかあったら言って。私はシャロリアの力になるから。運命の人かどうかは私じゃ分からないしもしかしたら違う人かもしれないけど…」
「そうですか…で、では何かお礼を…」
「いいっていいって。シャロリアはお姫様であっても一緒にいて楽しい一面や可愛い一面とかも見れたから私は満足だよ」
「可愛い一面ってそんな…本当に好きになってしまいますよ?」
「お姫様に好かれるなんて私もでっかくなっちゃったな〜?まぁでも…そうなったら…待ってるから」
「はい…」
寝る前にベッドの上で雑談を交わす。
シャロリアって見た目だけじゃなくて声も綺麗だし、可愛いから聞いているだけでも耳が落ち着く。
「それでは…寝ましょう。ちょっと…いいでしょうか?」
「どうしたの?言ってみて」
「言うのではなく…」
シャロリアは突然、私を抱きしめてきた。
「な…な…!?」
「嫌…でしたでしょうか?」
「う…ううん!?全然嫌じゃないよ!?お姫様とハグするなんて幸せです」
唐突に抱きつかれてしまったので驚いたあまりに敬語になってしまう。
何この抱かれ心地、かなり気持ちいい。快眠できそう。
「そうでしたか…では…おやすみなさい」
「おやすみ…」
そうしてシャロリアは先に眠った。
シャロリアの寝顔、可愛い。
この世界にカメラとかあるのであれば写真に撮って部屋に飾りたいくらい。
「私も寝よう…」
私も寝ようとした。あれ?
私、どうして女子を恋愛的な目で見ているんだろう?
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