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「シュバリエあの……。もう止めへん? ……その、ヴァンもシェイカーも反省しとるし。俺もほら、無事復帰したんやし」
「……」
冷ややかな視線を向けられてはいるが、一応黙ってくれたところを見ると、話を続けろと促してくれているようだ。
皆が見守る緊張感溢れる署内で、発言を許されたのだからと深呼吸する。
「それにやな。その一件についてやったら、既にうちの部長もトウジも、俺もヴァンに説教して反省してもろてんやし。やからその……」
「オフィーリア」
それだけで、条件反射のようにびくりと身体が震える。
かつてない程に冷たい声音だ。それ即ち、「いくらオフィーリア自身だろうが、“オフィーリアを傷付けた相手”を庇う行為は許さない」と、暗にそう言われているのだと悟る。
それでシュバリエから視線を逸らしたのだが、それでもしばらくの間は最後の抵抗とばかりに、二人の前から動かなかった。
その行動すら気に入らなかったのか、ゆっくりと近付いてきたシュバリエが、やけに優しい手付きで肩に手を置いて、わざとらしく耳元で囁いた。
「これ以上私の邪魔をするのならば、……理解っているな?」
「……っ」
もう無理だと理解した。
庇い切れない。
情けない話だが、昔からシュバリエは、オフィーリアを傷付けた相手は誰であろうが鉄拳制裁する。
一度怒ってしまえば最後、説教をかますまで絶対に相手を許さないし、そこはオフィーリアが納得して自身を傷付けたという事実があろうが、同じ結果であるのだ。
仕方なく、素直に二人の間から大人しく退くのを見て満足したのか、シュバリエが再び笑顔になった。
「さ、話の続きをしようか。なぁ、シェイカー?」
「え? あの、うん」
俯いたまま動かなくなったオフィーリアを心配しつつも、次はいよいよ自分の番かと頷いた。
「それでだな、俺は一日フリーだから、アンダーテイカーが忙しいというのならば、こちらで待たせてもらいたい」
良いよなと言われてイエスの選択肢しかない問いかけに、さすがのシェイカーも観念して頷きかけた時、思わぬ静止の声が入る。
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