14人が本棚に入れています
本棚に追加
オレの親、山口のお父さんが主治医やって。
色々お世話になったんや。
そんでまあ、ちょい知り合いやねん。
そや。
山口は家で『あっちゃん』て呼ばれてんやで。
キャラメルよりはエエんちゃう?」
「判った。
あっちゃん、やな」
「勝手に呼ぶなや!」
ここで授業開始のチャイムが鳴らなければ。
延々コントみたいな喋りが、続いていたかも
知れない。
席に付いて授業の準備をしながら。
山口は、ほんまにもお~と頬を膨らませる。
でも。
思い出し笑いをしたくなるほど。
楽しい休み時間だったのは、間違い無かった。
中高一貫6学年あるけれど。
1学年3クラスだけだ。
だから数か月もすれば、その学年の有名人は
固定される。
そして様々な学校行事が、中高まとめて実施
されるので。
他学年の有名人でも、全校に知れ渡る。
気付けば。
いつも笑顔で優等生な山口くんと。
直球元気印の林くんと。
身長も許容量もデカイ神田くんの3人組は。
すっかり有名人になっていた。
でも。
食べ物のスキキライがあるように。
どうしても相性が合わない、と言うコトが
あるのが人間だ。
ある日。
『体育の授業が無い日でも体操服で過ごし。
登下校さえも体操服姿の者がいると聞いた。
これは規律を乱す行為では無いか』
と言う父兄からの抗議があったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!