あまからしょっぱ

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「いきなり本題入るんか。 強気やなあ」 はははと、野田は豪快に笑って。 現副会長に視線を送る。 「えーと。 まあ、こっちが言いたいコト判ってんなら。 話早いな。 高等部は、服装結構自由にしとうけど。 中等部は。しかも新1年生が。 夏休前から制服着いへんなんて前例が無うて。 おまけに。 制服については、生徒会でも長年の議題に なっとって。 どないしよか思てたら…」 回りくどい話に、野田が割って入る。 「上手いコトやったな、て 言いたいだけや。 父兄会も教師も生徒会も介入させんで、済んで。 6年間一緒やからなあ。 しかも始まったばっかやし。 お互い深いキズ残さん方が、 エエこともあるワ。 な?」 「野田さんのお名前が効きました!」 ニヤニヤする野田の前に、林が一歩進む。 「野田さんのシャツやから。 『そんならエエんちゃう?』て 空気になれたんや思います。 オレも。 余計なコトはせんでも。 空気変えれるよーな。 野田さんみたいな。 存在感ある奴になりたい、 思うてます!」 唐突な宣言に。 おまけに、結構乱暴な言葉遣いで。 さすがの野田も、呆気にとられている。 生徒会長と副会長は。 『この1年、何ぬかしとんや』と青ざめ。 隣の神田は、笑いを必死に堪えている。 山口は、もう。
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