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「行ってきまぁす」
「おう柚希、行ってらっしゃい」
今にも雪が降り出しそうなほどに冷え込んだ夜。
男専門デリヘル『キャットラウンジ』で働く柚希は寒さに肩を震わせながら都会の人混みにまぎれた。
(新規のお客さん、どんな人だろ)
すぐ近くのホテルに入った柚希は指定された部屋のドアをノックした。
しばらくしてドアが開き柚希はその中に一歩足を踏み入れた。
「こんばんは! キャットラウンジから来た柚希で……す……」
柚希は男の顔を見た瞬間言葉を失った。
「ああー!!」
「……うるさっ」
男は柚希を見ると怪訝そうな顔をしながら背中を向け部屋の中へと歩いていった。
「お、おい、ちょっと!」
慌ててドアを閉めその背中を追う柚希。
「お前、なあお前、ひとつ下の朝倉だろ? 大学で有名なイケメンモテ男! お前こっちだったのか?」
「は?」
朝倉はベッドに座り柚希の顔をにらむように見つめた。
「チッ、なんだよ同じ大学かよ」
ぼそっとつぶやく朝倉の隣に柚希は駆け寄った。
たまに構内で見かけるひとつ下の朝倉。
朝倉は常に女の子に囲まれていた。
この顔ならそれも当然のことだろう。
近くで見るとますますカッコいい。
そんな朝倉がまさかデリヘルで男を呼び出すなんて。
「なあ、朝倉ってゲイだったの? いやぁ全っ然気づかなかったぁ」
「違う!」
「は? いや、でも……」
「自分でもよくわかんねえ」
「え、何それ」
朝倉は頭を抱えながらため息をつくとゆっくりと話し始めた。
朝倉が小学生の頃、お受験のためにと親が女子大生の家庭教師を雇った。
当時から顔のよかった朝倉にその女子大生は執拗に自分の巨乳を押し付けてくるようになった。
最初はなんだか柔らかくて気持ちいいと感じてはいたのだが、次第にそのおさわりがエスカレートしていくと朝倉は恐怖を感じ出した。
親に言うことも出来なかった朝倉。
顔や体、とうとう下半身まで触られた朝倉は気持ち悪くなりその場で嘔吐していた。
おかげでそれ以来女性に対する恐怖心を植え付けられてしまったのだ。
「うわっ、それはキツいな」
「親にちゃんと勉強するからって泣きながらお願いして家庭教師はやめさせてもらった」
「そっかぁ。もしかしてそれが今でもトラウマとか?」
「ああ、女の子のことは可愛いと思うし好きだけど……どうしても出来ない。女の子に触ろうとするとあの感情がよみがえってきて吐きそうになる」
「うわ、大変だな朝倉も。それで男で試してみようと思ったんだ」
「……悪い」
どうりでいつも朝倉は女の子に囲まれているのに笑っていないなと思っていた。
普通ならもっと楽しそうに笑っていてもいいはずなのに朝倉はそうではなかった。
こわばっているような無表情。
よほどクールな性格なのかと思っていた柚希は朝倉にそんな深刻な理由があったということに驚いていた。
「試すとか言って、悪い」
「あ? 謝んなよ! 朝倉はなんにも悪くない! 悪いのは全部その女じゃん! 朝倉は本当は今までずっと怖い思いしてきたんだろ? んなこと気にすんなって」
「あぁ……」
「え、おい、ちょっと朝倉!?」
柚希は驚いていた。
隣に座っている朝倉が涙を流していたのだ。
「……俺、そんな風に言われたの初めてで……いつも女の子苦手だって言ったら周りは皆、そんな贅沢な悩み知らねえよとかモテるからって調子のんなって言われて」
「そっかぁ。まあ、そうなるよな」
柚希は優しく朝倉の肩を抱いた。
イケメンにはイケメンの悩みがあるんだな。
それにしても泣いている顔も様になるってどういうことだよ。
年下だけど体格もいいしカッコいいしもろ自分の好みだ。
きっとアソコも大きいだろう。
もしもこんな男に抱かれたら……。
柚希の思考はどんどん膨らんでいた。
「……ん? ちょっと待てよ。て言うことは朝倉。お前もしかして……童貞!?」
泣き止んだ朝倉は少し照れたような表情を見せながら頷いた。
「マジかぁ。で、どうする? 時間もなくなっちゃうし、せっかくだから試しとく?」
「い、いいのか?」
「あ、もし同じ大学だから嫌だとかアレだったらチェンジしてもいいぞ」
「いや、あんたがいい」
即答した朝倉に柚希は心のどこかで喜んでいた。
「そうと決まれば急ぐぞ」
「わっ……」
「あ、俺、キスはNGだから」
柚希はそう言いながら嬉しそうにベッドに朝倉を押し倒すとズボンのベルトを外し始めた。
「ちょっと、待て、何を……」
「いいからいいから、お前は大人しく寝てろって」
「でも……はぅっ……」
あらわになった朝倉のソレを柚希は嬉しそうに口に含んだ。
「ん……」
「ひもいいぃか?」
少しずつ固くなっていくソレを優しく舐めながら顔を上げると、こちらを覗き込む朝倉と目が合った。
「ぅあっ……」
「んん……ふげぇ」
朝倉の下半身は一気に太くガチガチに固くなった。
「なんだ、ちゃんと勃起つじゃん」
口の中をいっぱいにされた柚希はここぞとばかりに激しくソレを何度も吸いあげた。
「待っ……デるっ……」
「おっと」
朝倉のモノが今にも出そうになった時、柚希はソレを口から出し両手で力強く握りしめた。
「アッ」
「本当は一回射精してやりたいけど時間ないからガマンな」
そう言うと柚希はさっさと服を脱ぎ捨て朝倉の上に股がった。
「準備しといてよかったぁ」
柚希はいつの間に出したのか持っていたローションを手に出し自分の穴に塗り込んでいた。
「お前はこれな」
そしてゴムの袋を開けると手際よくそれを朝倉の固くなったモノに被せた。
「挿入れるぞ」
「ん……」
「んぁ……」
朝倉の大きなモノが柚希の中に入ってゆく。
「すっげぇ……」
朝倉のモノでいっぱいになった柚希はゆっくりと腰を上下に動かし始めた。
「んぁっ……気持ちいい」
挿入れただけでもイキそうになった柚希のアソコも大きく固くなっていた。
自分で前を触ろうとした時だった。
「ぅあっ!」
朝倉は体を起こすと柚希を抱えたまま体勢を変え柚希を押し倒した。
「あ、朝倉?」
見ると必死で快楽に耐えているような表情をした朝倉と目が合った。
「アッ……」
その表情を見た柚希の心臓が激しく鼓動した。
いつも無表情の朝倉のいつもと違う顔。
朝倉も気持ちいいのか?
俺で気持ちよくなってくれているのか?
普段はそんなこと思ったこともないのに柚希はなぜか朝倉が感じていることに興奮していた。
「ひぁっ!」
その瞬間、朝倉が激しく腰を動かした。
「悪い……止めらん、ない」
「アッ……アッ……あさくらぁ~」
朝倉のモノで何度も中を突かれた柚希はすぐにイッていた。
「んっ……」
朝倉も果てたのか動きが止まった。
と思うと朝倉は手を伸ばしゴムの袋を開け始めた。
「あ、朝倉?」
「ぜんぜん足りねえ」
「ちょっと、待てっ……」
柚希の静止も耳に入らないのか朝倉は再び柚希の中に入ってきた。
「アッ……待てって……」
「ハァ……キモチぃ……」
「やっ……アッ……あぁっ」
「ハッ……かわいぃ……」
「ヤだっ……あさくらぁ……」
さらに腰を打ち付けてくる朝倉に柚希は何度もイかされたのだった。
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