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「いや、疲れてる感じがするし」
「顔が?」
「顔、もだけど」
「腕?」
「え?」
「腕落ちた?はっきり言ってよ。波瑠や那月には言うのにさ、俺には言えない?」
「な!違う!別にそんなわけじゃ……。だってあいつらたまにふざけてるだろ。今だってあれだし」
孝則君に指差され、二人が間抜けな顔でこっちを見てきた。
「綿谷、おまえは普段完璧だ。おまえが立て続けにミスったりなんて珍しいからさ!」
「はははは。どういうフィルター?」
「……」
「俺だって、みんなと同じだから」
その日は用事があるから帰ると嘘を言ってしまった。情けね。孝則君は俺を心配して声をかけてくれたのに。嫌な気持ちにさせてしまったかもな。
あーあ。やだね。人間って。
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