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久しぶりだから
「宮本さん、客が宮本さん出せって言ってるんすけど」
「え?誰?」
最後の客は、コース料理頼んでた。もう全部出したし、調理器具とか片付けてたところだった。
「予約では田中ってなってます」
「…名前とかは?」
「わかんねーす」
たぶん書いてあるけど、わかんないみたいだしいいや。
「お客さんに会えばいいってことだよね?」
「はい。宮本さんの名前出したんで」
どこの誰だ?
田中…うーん?
「じゃ、行く」
しょうがない。
恨まれてたら喧嘩になりそうだけど…。
「失礼します。お待たせしました、宮本です」
部屋に入ると、個室には金髪で長髪の人が座っていた。こっち向かないで食べてる。
「あの…」
「おおーー!みやもっさーーん!」
「ありゃ!コウくん!」
立ち上がって、抱きついてきた。
「久しぶりすぎて俺のこと忘れたんすか!?」
「え!今無視したじゃん」
「飯食ってただけっすよ!」
「忘れてないっすよー」
「んじゃ、予約の時点で気づいてほしかったんすけどー」
「だって俺、予約管理してないし」
「それより。みやもっさん、今からしゃべりたいっす」
「いいよ。店閉める」
従業員は早く帰らせることにした。
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