16人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
どうにか実感出来たのは次の日だった。
私はプロポーズされた…
それは、とても嬉しいことだったけど、問題は、リュウのご両親に会わないといけないこと。
一回り年上の天涯孤独の私を、ご両親が受け入れてくださるかどうか。
あれこれ考える間もなかった。
正月には、リュウの家に向かった。
新幹線と在来線を乗り継いで、昼過ぎにようやくたどり着いた。
「立派な御屋敷じゃない。」
「田舎だからだよ。」
木戸を開け、中に入る。
庭も広い。
リュウの実家って、お金持ちだったんだ。
「来たよ~」
「あらまぁ、いらっしゃい。」
「こ、こんにちは。初めまして。」
リュウのお母さんらしき人は、思ったよりも若く思えた。
明るくて優しそうだったから、ちょっとだけ、ほっとした。
私達は、座敷に通された。
お膳にはおせち料理や果物がたくさん並べられていた。
部屋の一番奥にいたのが、お父さんらしき人。
お母さんとは違って、怖そうな人だ。
また緊張してしまう。
「新年あけましておめでとうございます。」
席に着いた途端、リュウがそう言って頭を下げたから、私も慌てて、それに倣った。
「父さん、母さん…婚約者の森下真紀さんを連れてきました。」
「は、初めまして。
森下真紀と申します。」
私は深く頭を下げた。
最初のコメントを投稿しよう!