年女と年男

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* 「リュウ、お誕生日おめでとう!」 「ありがとう!」 選んだのは庶民的なイタリアンの店。 ビールで乾杯をした。 本来ならば、ワインなんだろうけど、私がビールが好きだから、乾杯はいつもビール。 「これ、プレゼントね。」 「ありがとう。」 リュウは、紙袋の中身をチラ見する。 「黒なんだね。」 「うん、後で着てみて。 サイズは大丈夫だと思う。」 「大人っぽい感じだね。 実年齢より上に見えるかな?」 「そんなことは無いと思うけど…」 「最近、30くらいに見られたいって思うんだよね。」 「そうだよね。私もその頃に戻りたいよ。」 「え……?」 リュウがおかしな顔をした。 え?私、何か変なこと言った? 「真紀、辰年だよね?」 「そうだよ。」 「今年、24歳だよね?」 「えっ!?」 その時、私は大きな勘違いに気が付いた。 私とリュウは同じ干支だけど、一回り違うってことに… リュウは、私より12歳も年下だった。 「えっと……」 どうやらリュウも気付いたみたいだ。 終わったな… 良い人と出会えたと思ってたけど… リュウのこと、だいぶ好きになって来てたけど、それももうもうおしまいだ。
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