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見知らぬ土地に不安はあるけれど、何も外国に行くわけじゃない。
確かに戸惑いはしたけれど、心の中では、YESだったと思う。
なんだかんだ言っても、リュウのことが好きだし、離れるのはいやだ。
遠距離恋愛なんて、私には出来そうにないもの。
ただ、そうなると、ひとつだけ困ったことがある。
結婚するとなると、リュウのご両親に会わないといけない。
会ったら…多分、反対されると思うんだ。
リュウはそんな心配はいらないって言うけど、そんなわけがない。
もし、反対されたら、リュウはご両親と縁を切っても、私と結婚するって言うと思う。
でも、私はそんなこと望んでない。
そんなことになるくらいなら、私は身を引くつもりだ。
だから、気が重い。
本当は会いたくなんかない。
だけど、会わないと前には進めない。
(はぁぁ~~…)
深い溜め息が漏れた。
「トーストにしとくね。
目玉焼きも焼いとくから。」
リュウは本当に呑気だ。
私の気持ちなんかまるでわかってない。
あの時、リュウと出会わなければ、こんな想いをすることもなかったのかな…
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