年女と年男

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* 神社の近くのカフェで、私達はいろんな話をした。 初対面なのに、なぜだか昔から知ってるような安心感があり、プライベートなこともいろいろと話した。 「酷いと思わない? いつも、実家には帰ってたのに、今年は温泉旅行に行くからって。 それなら、俺も誘ってくれたら良いのに、二人だけで行ったんだよ。」 「だから、一人で初詣だったんだ。」 「そうだよ。あれ?もしかして、君も実家には帰らなかったの?」 あまり触れられたくないことに触れられてしまった。 スルーしても良かったんだけど、何も隠す必要もないから、素直に答えた。 「私の両親、もう亡くなったんだ。 だから、実家は無い。」 「そうなんだ。ごめんね、嫌なこと聞いちゃったね。」 「ううん、大丈夫。 あ、年女や年男の時って、良いことがあっても、悪いことがあっても三回続く、って言うよね。 この前の年女の時、おばあちゃんが亡くなって、お父さんが亡くなって、お母さんまで亡くなったんだ。 最悪でしょ。 だから、今年もなんか怖くて…」 「それはきついね。 大変だったんだね。 でも、今年は大丈夫だよ。 きっと良いことが三回あるよ。 まず、俺と知り合ったよね。 それと……」 リュウは突然片手を差し出した。
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