年女と年男

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「……なに?」 「俺と付き合って下さい! よろしくお願いします!」 「えっ!?」 私が戸惑っていたら、リュウが顔を上げた。 「やっぱり、彼氏がいるの?」 ちょうどその時はいなかった。 その時は、というか、もう何年もいなかった。 「君、美人だし…しっかりしてるし、優しいもんね。そりゃ、彼氏がいても当然か。」 偉く褒められたものだ。 確かに、声はよくかけられる。 目立つ顔なのかもしれないけど、私は自分が美人だなんて思ったことはない。 それにしっかりもしてないし、優しくもない。 「残念ながら、今は彼氏はいないわ。」 「やった!じゃあ、付き合って!」 「ちょっと早過ぎない? 会って一時間くらいしか経ってないと思うんだけど。」 「一時間もあったら、いろいろわかるよ。 嫌いなタイプなら、それこそ秒でわかるじゃない。 君と俺はきっとうまくいく。 っていうか、多分、君は俺の運命の人だと思うんだ。」 すごく積極的。 誰にでもこんなこと言ってるんだろうな。 そんなにチャラい感じはしなかったけど、かなりチャラい人なのか、それともかなり焦っているのか。 でも、不思議と嫌な気はしなかった。 「じゃあ……お願いします。」 半ばノリみたいな気持ちで、私はリュウの手を握った。
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