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ランフォードは心が折れそうになる。
何かないのか。もっとルヴィアナの心にぐっとくる言葉は…
女性に甘い言葉やばらの花束など送った事もない男にこれ以上の言葉は思い浮かばない。
あっ!
そうだ。ルヴィアナは杏奈じゃないか。
杏奈は保育園で楽しそうに歌っていた事を思い出す。
あの頃の杏奈は輝いていて笑顔が眩しいかったなぁ。
「ルヴィアナ、いや、杏奈。俺、歌はうまくないかもしれないが…保育園でこの歌をよく歌っていたよな。
♪悲しいときは歌をうたってあげる。楽しいときは一緒に笑ってあげる。あなたの悲しみを半分もらう。代わりに私の喜びを半分あげる。私がいつもそばにいるから、私がその手を握ってあげるから、もう泣かないで…♪
こんな歌だったかな?ルヴィアナ。俺は今この歌と同じ気持ちだ。君と一緒に生きて行きたい。どんな時も一緒に…」
ランフォードはルヴィアナの手をもう一度ぎゅっと握りしめる。
「ぅ‥ん‥」
その時ルヴィアナが身じろぎした、握りしめた手の中で指先がごそっと動いてランフォードはルヴィアナの顔を見た。
もうたまらなかった。
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