影武者の運命(さだめ)

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 今の爆撃に乗じて、大統領が死んだことにする。敵軍は大統領と思われる死体を見つけ、勝利を確信する。  そこでこの戦争を終わりにする?  もしくは、新たな殺戮のための準備をする?  本物の大統領には、その選択をする猶予が与えられる。  俺は身を(ひるがえ)し、崩れた道を走った。  後ろから護衛が追いかけてくる。  俺は必死に走った。躓いても転んでも、足を止めなかった。しかし、あまりにも太ってしまった身体は、俺の意思通りには動いてくれなかった。 「あんた、死んでくれんか?」  あの日、黒いスーツの面接官は俺にそう言った。  あの時は失意のどん底にあり、生きる希望を失っていた。戦争が終わるなら、俺の命を捧げる。本気でそう思っていた。  俺は逃げながら、自らの判断を悔いていた。
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