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無題1
月が綺麗な晩であった。
輝く夕陽はくものなか
レンガ造りの天井が
ぼくらの世界を包んでる
何となく住まいを後にしたのはまさに、その風景を心象風景に重ねてしまったからである。
「いい暮れだ。」
夕も暮れ。物陰に隠れたような街はどことなく仄暗くて、静まり返っていたのであった。
けれど、空気は新鮮で、透き通ってあったので、それはタンスに籠って空想にでも耽っている幼少期の様だった。
冷蔵庫に入れたままのかぼちゃを想像すれば、この景色と感触は簡単に伝わるであろう。
見え隠れする月、低く漂う雲の群れ、それを映した水たまり。
屋根なんかじゃ塞げそうもない、広い、広い空。
その景色のなかに、まさしく僕がいる。
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