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このままでは負けてしまう。修二は矢継ぎ早に彼女のピュアなところを並べ立てました。
「テレビとか見ないし!」
「金〇もそうだ」
「政治の話とかしないし!」
「金〇もそうだ」
「人の悪口とか言わないし!」
「金〇もそうだ」
えーと、えーと、修二は両手の指を曲げたり伸ばしたりしながら彼女のピュアなところを探しました。湯水のごとく脳内にあふれ出てきますが、どれもキンタ〇も持っているピュアさばかりでした。修二は口をパクパクさせましたが、太助の『金〇もそうだ』砲が炸裂することに怯え声になりませんでした。
それでも、と修二は振り絞りました。
「ひとめ、一目見た時から、ビビッと来たんだ! ピュアそうだなって!」
修二の渾身の攻撃を太助は男らしく真正面から受けました。やったか! と修二が思った瞬間、太助はニヤリと笑って言い放ちました。
「金〇もそうだ!」
カウンターを食らって修二は吹っ飛びました。仁王立ちの太助とひざまずく修二。勝負は明らかに決してしまいました。
そこへ二人の共通の友人、直人が通りかかりました。
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