「開発」、「創作」

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「創作」は道具があれば開発できる。 つまりは開発過程をじっくり観察したいときにどうぞ、みたいなスキルのようだ。 だが問題はその道具の方で。 おそらく「検索」で調べればそれの形状や使用方法などは知ることができるだろう。 しかし、果たしてその形の器具があるか、というのが問題で、、、 カチャ、カチャ、カチャ 考え込んでいた俺の背後に規則的に何かが擦れ合うような音が届いた。 「?」 不思議に思い振り向くと、そこには実験道具一式を手に抱え、二足歩行をしているグレちゃんが。 「ほら。持ってきてやったぞ。」 「え、あ、うん。あ、あり、がとう???」 「あ?なんだよ。妙に歯切れ悪りぃな。」 怪訝そうに眉を顰めながら首を傾げる。 眉なんてものいつからあったんだ。 そして二足歩行やめないの?いつまで立ってんの? てか立てんの知らなかったよ!? 「おい、アル?」 「あ、ごめん。二足歩行のインパクトに負けてた。」 「は?んだよそれ?」 「ナンデモナイデス。」 二足歩行なんて当たり前なのに何お前、な雰囲気に押されて何も言えなくなった俺はそそくさとグレちゃんが持ってきてくれた器具を受け取り机に向き直る。 さてさて、グレちゃんがどこからかは知らないが持ってきてくれた器具たちのおかげで実験が前に進む。 「『創作』」 器具を組み立てて、最後にヒーリカ草をセットしてからスキルを発動する。 するとタイムラプスのように実験の工程が早送りされ始めた。 「なるほどな。こんな感じになるわけか。」
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