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「アルト様、はっきりと言いますわ。レータ・カルデを殺したのも、私を殺したのも、貴方ではない。絶対に」
「アルト様。私が前の家族に言われて一番嬉しかった言葉は何だと思いますか?」
涙が溢れ続けているアルト様は何も答えない。
「今が幸せだ、と言ってくれましたの。涙が出るほどに嬉しかったですわ」
「ねぇ、アルト様。リーネ・フローリアであった時も、リーネット・アステリアである今も、私、とっても「幸せ」ですわ」
私はアルト様を抱きしめている手に力を込める。
「本当に幸せですのよ」
その瞬間、ゆっくりとアルト様が顔を上げた。
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