第三章・光と闇

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 ◆闇の魔王城 「ククを返せ!」  魔王城についたキキは、暴走状態のシャドと一騎討ちとなる。  シャドは怒りのままに魔法弾を撃ち続けた。キキは苦戦しつつも、必死で攻撃を避けていく。その間に、ククは水晶の中で苦しんでいた。 「これ以上ククを傷つけるな!」  ククが苦しむのを見て、啖呵を切るキキ。すると、シャドは攻撃を止めて訴えた。 「本当は彼女を傷つけたくない……でもそれは闇の神々によって許されないんだ!」  動揺するキキに、シャドは続ける。 「ボクたちは敵同士の宿命だ。途中で仲良くすることが許されない。神に従わなければならない。自由に生きることも許されない。もし僕達が敵同士じゃなかったら……敵同士じゃなかったら!」  シャドはククに片想いしていたが、それと神々に絶対に従うことの間で葛藤している。それに気づいたキキは、シャドは苦しんでいること、魔法を暴走させたことを理解する。  キキは攻撃を止め、シャドに寄り添ってあげた。 「そっか……苦しいんだね」 「魔法も使えないお前に何がわかる!」 「君、本当はククのこと好きなんだよね」  シャドは照れ隠しで怒鳴ったが、キキの言葉を受けてはっとし、攻撃を止める。 「聖なる小枝の少女よ、永遠にこの世から消え去るが良い!」  次の瞬間、まさに今ククに闇の神々の魔法弾が当たろうとしていた。 「危ない!」  思わずシャドはククを庇い、傷つく。 「シャド!」  それを見たキキはシャドを心配する。 「裏切り者め、粛清する!」  闇の神々は怒り狂い、シャドをも粛清しようと目論む。  水晶の檻は破壊されたが、ククは無事に脱出した。キキは倒れたシャドに駆け寄った。 「クク、シャドを治して!」 「わかった!」  キキに頼まれて、ククはシャドの傷を魔法で癒してあげた。幼い頃、巨大樹にしたように、優しく。すると傷は少しずつ小さくなっていった。 「あの時とどめを刺さなかったのは、わたしを思ってくれていたのね」  ククはシャドに微笑んだ。が、闇の魔法弾が二人目がけて直撃する。  闇の巨神がシャドを殺そうとしたのだ。闇の巨神の行いに、キキたちは怒った。 「ひどい! 神様だからって、何やってもいいわけない!」 「そうよ! 自分に都合が悪いから、傷つけていいはずはないわ!」  キキとククは顔を合わせる。 「ぼく、わたしは……シャドを助ける!」  二人はシャドを助けるため、光の神々をも裏切る決意をする。 「闇の人間を助けるとは……我々に逆らうなど、絶対に許さん!」  キキたちの裏切りに対し光の神々は激怒した。二人を粛清しようと猛攻をしかける。邪悪な巨大樹に、光の雨が降り注ぐ。そして、闇の雨も降り注いでいた。  光も闇も、三人を潰そうとしている。  しかし突如、頭上に魔法の屋根が現れ、容赦ない雨から三人を守った。  ドドが障壁を張ったのだ。 「ドド隊長、どうして!?」  ククに尋ねられ、ドドは返した。 「私もお前たちの味方だ! 逃げろ!」  ドドが時間稼ぎをする隙に、二人はシャドを連れて逃げた。
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