第二章・ドワーフの村

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 ◆闇の王子再び 「また敵が来たぞ!」  今夜も知らせを受け、ククと仲間たちは目覚め、キキも急いで戦闘の準備をした。  今度は、あのシャド王子が軍団を率いて襲いかかってきた。 「一人残らず、光の魔法使いを倒せ! 攻撃せよ!」 「よし、俺たちも行くぜ!」  両方の軍団は、戦いの合図を出し、夜の戦いがはじまった。  ククはシャドと、キキは手下の一人と、対峙する。 「さっさとくたばらないか?」  魔法弾を放ち、シャドが言った。もちろんククは言い返した。 「光の魔法使いも、闇の魔法使いも、どっちとも魔法を使えるのだから、どっちとも平等なはずよ! あなたたちの都合の良いように、負けるはずがない!」  その頃、キキは枝を振り回し、相手にぶつけようとした。ところが、相手はなかなか手強い。枝を避けると、闇の魔法弾をぶつけてきた。魔法が当たり、キキは負傷した。  それを見てククは、キキを傷つけた相手への怒りとキキへの苛立ちをこらえられなくなった。 「キキは下がってて! 邪魔になるから!」  さっきと同じことを言われて、キキはまたカッとなって言い返した。 「邪魔じゃない! ただぼくは、今できることをしたいだけだ!」 「これだからあなたは、大事なところで邪魔をするのよ!」  キキとククはまた喧嘩になった。  突如、風が横切ったかと思うと、巨大な魔法弾がこちら目がけて直撃した。  その衝撃で、ククは遠くへ大きく吹き飛ばされた。 「クク!」  キキはククの名前を呼びかけた。 シャドは笑っていた。シャドは二人が言い争う隙を狙い、巨大な魔法弾を繰り出したのだ。 「お前、ククに何をした!」  キキは啖呵を切り、シャドに枝で殴りかかろうとした。  しかしキキの怒りの攻撃も、シャドは余裕で回避し、笑いながら罵った。 「邪魔をしたのはお前の方だろう。お前は魔法が使えないから、あいつに邪魔と言われたんだろ!」  キキは一瞬動揺したが、すぐに強気で言い返した。 「たとえ邪魔だったとしても、決して役立たずなんかじゃない!」  再びキキは枝をぶつけようとした。  必死なキキに対し、シャドはいかなる攻撃も避け、自分からは何度も魔法攻撃を放った。  そして、とどめに巨大な魔法弾を放った。  キキは枝を振りかざし、攻撃を防ごうとした。しかし、流石に耐えきれず、枝は真っ二つに割れた。  枝を貫通した魔法弾はキキに命中。キキは全身傷だらけになり、ついに倒れてしまった。他の仲間たちも傷ついて、まともに戦えない。 「やっぱり役立たずだったか」  シャドは笑った。ところが次の瞬間、何者かが光の魔法弾を投げ、シャドの足元に衝撃が加わる。  シャドは大きく吹き飛ばされた。さらにバランスを崩したため、穴へ落ちてしまった。
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