雪の日の奇跡

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そこには黒と白のハチワレの猫がわたしをジィーーッと見つめていた。 まさに凝視という言葉そのもので、片時も目を離さない。 そんな猫は初めてで、わたしも目を離せずに隣のケージへと移った。 「チュムくんと言います。男の子ですよ」 飼い主さんがわたしに声をかけた。 「あ、初めまして。そうなんですか。この子ずっとわたしのことを見てくれて、なんだか嬉しいなって」 「そうですね、このこは男の子だからお姉さんのことがタイプなのかもしれないわよ」 うふふと飼い主さんは笑った。 わたしが話している間もそのチュムくんはずっと目を離さずに、威嚇するでもなくわたしを見つめ続ける。 猫なのに吊り目じゃないそのまん丸なキレイな目は一瞬でわたしを虜にした。 まだみていない猫もたくさんいるのに、なぜかわたしはそのチュムくんから目が離せなくなってしまった。 「この子、お願いしたいんですが」
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