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第2話 おかあさんといっしょに
「おかあさん、おかあさん。」
おんなのこは、もりのなかで あった
はでな おばあさんに もらった
きんいろの ほそながい ポットを
もって、おかあさんに みせました。
「どうしたの?
そんなに あわてて。
え? なに?
その きんいろの ポットは。」
「これね、
しらない おばあさんから もらったの。
おいしいものが でてくるんだって。」
ものすごく ニコニコ えがおで
おかあさんに きんいろポットの
せつめいを しました。
じゅもんを となえると
たべものが でてくるんだと
せつめい しました。
「ねぇねぇ、おかあさん。
いまから じゅもんを
となえるから みててね。
『マカ マカ マカローン
カッモーン!!』」
と おんなのこは
ポーズを きめて
すこし おおきな こえで
となえました。
すると どうでしょう。
きんいろの ポットの さきから
にゅるにゅるにゅるーーん と
たくさんの カラフルな マカロンが
ポップコーンの ように
つぎから つぎへと
とびだして きました。
「きゃー。」
いえのなかを しほうはっぽう
どこに いくのか。
まるで おにたいじ する
まめでも とばしてるかのよう。
おなかが すいていた
おんなのこと おかあさんは
ポンポンポンと でてくる
マカロンを くうちゅうで
てに とって
おくちの なかに いれました。
「うわ!すごいあまくておいしい!!
ピンクいろだから…
フランボアーズあじかな。」
「わたしのは、みどりいろだったよ。
まっちゃあじかもしれない。」
「えー、あのいろは
きっとチョコレートのはず。」
ポットからでたちゃいろの
マカロンを キャッチボールのようにして
てに とり、くちに ほおりこみました。
「やっぱり!
チョコレートだ。
すごく おいしいよ、おかあさん。」
「まって、わたしも たべるわ。
あれ、オレンジいろ しているわ。」
まだポンポンでてくる マカロンは
おかあさんの まえに
オレンジいろの マカロンが
とんできて そのまま
くちに いれました。
「これは、バレンシアオレンジのあじ。」
「なんで、オレンジのしゅるいまで
わかるの?」
「いいじゃない。
おいしいんだから。」
「まだたべてないのは どれかな。」
おんなのこは へやじゅう
いっぱいに なったマカロンの なかから
まだ たべてないのは ないかと
さがしました。
「あ、しろいのはまだだった。
うん、
これはホワイトチョコレートあじだ。」
「あおいのも あるわよ。
ブルーベリーだったわ。」
「まって、おかあさん。
こっちには むらさきだよ。
もちろん、ぶどうあじ。
ほんとうに おいしい!」
「きいろのは たべてないわよね。
えっとぉ、これは、レモンあじだわ。」
おんなのこは、ポットのさきから
ほかに ちがうものは でないかなと
ポンポンでてくる マカロンを
のぞいてました。
すると、まっくろの マカロンが
でてきました。
「おかあさん!!くろいのもあるよ。」
「わかった。たべてみる。
うーん。これは…たけすみあじだわ。」
「え、なにそれ。
たべたことない。」
「えいごで バンブーチャコール
フレーバーともいうのよ。」
「おかあさん きゅうに
どうしたの?」
「よくみたら、このポットのもようかと
おもったものが もじだったわ。
ほら、ここに かいてる。」
「あ、ほんとうだ。
でもさ、ぜんぶの しゅるい
たべちゃったよね きっと。
どうすれば いいかな。
これ。」
「うん、もう おなか いっぱいだわ。
とめていいわよ。」
おんなのこは あごに ゆびを
あてて かんがえました。
「たしか…
『マカ マカ マカローン
ハジマ!!』」
ゆびを あげて ポーズをきめて
となえました。
すると、ポンポン
ポップコーンのように出てきていた
マカロンが とまりました。
へやいっぱいに、
カラフルなマカロンだらけに
なってしまいました。
「これで 1かげつは いきられるわね。」
おかあさんは マカロンをひとつひとつ
ていねいに ふくろに いれていきました。
おんなのこは、うれしすぎて
しばらくは
にこにこして すごして いました。
【つづく】
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