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第4話 まちにあふれるあまいにおい
なみのように でてきた マカロンに
のまれてしまった おかあさんは
ごきんじょの おばあちゃん
いぬのさんぽしていた おじいさん
あかちゃんを だっこしていた
おかあさん までを まきこんで
ずんずんと まちの そとに
ながれて いきます。
ながれてる あいだにも
どすぐろいいろの マカロンを
ほおばりました、
「うわ、なにこのあじ。
カラフルなものが
いろもだんだん くすんでる。
おいしくないわ。
なんで こうなってくるの。
ぜんぜん とまらない!
だれかー たすけてー。」
たくさんの ひとが
マカロンの なみに うもれて
ながされて いきます。
あちこちで ひめいが きこえてきます。
そんなとき、おかあさんは
おんなのこが あそびにいくといっていた
おともだちの おうちの ちかくまで
きてしまいました。
おんなのこは ざわざわと そとで
さわがしいのが きこえて
おともだちと いっしょに そとに
でました。
みると、おかあさんを せんとうに
たくさんのひとが マカロンの なみに
のまれて どんどん ながされています。
「えーーー
どういうこと?!」
たいへんな そうどうに きづいた
おんなのこは おかあさんを さがして
はなしを ききます。
「おかあさん!
これは どうなってるの?」
「とめる じゅもんの ことばを
わすれちゃったのー
はやく とめて ちょうだい。」
おかあさんは マカロンに うもれて
モゴモゴと はなしにくそうに
していました。
「えー、そうなの?
『マカ マカ マカローン コジマー!!』」
ポーズを きめて おんなのこは
じゅもんを となえましたが
マカロンは ふえるいっぽうで
とまりません。
「え、まちがったかな?
『マカ マカ マカローン
オオシマー!!』」
それでも とまりません。
おんなのこは たいりょうの あせを
かいて、あたまを ひねります。
「あ、おもいだした。
『マカ マカ マカローン
ハ・ジ・マーーー!!』」
やっとこそ、ほんとうの じゅもんを
となえることが できました。
そのことばを はっしたしゅんかんに
たくさん でていた マカロンが
ぴたりと とまりました。
おんなのこは
おおきな ためいきを つきました。
「こんなに たくさんのマカロン、
みんな めいわく だよね。」
とおちこんで いると
おかあさんは きゃ、きゃと
よろこんで いました。
まわりにいた たくさんの まきこまれた
ひとが えがおに なっていました。
なんで そうなるんだろうと
おかあさんに きいてみました。
「やったわね。
こんなに たくさん あれば
マカロンタワーが つくれるわ!」
「マカロンタワー?」
おんなのこは ひょうしぬけ しました。
【つづく】
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