緊張のプロポーズ

2/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
僕の名前は『玲玖(りく)』、静岡の高校を卒業して東京都内の4年制の大学を卒業後、東京都内の建設会社に就職して勤務している26歳の平凡な会社員だ。 住まいは東京都内の賃貸アパートで1人暮らしをしている。 僕は人前で話をするのがとても苦手で、中学生の頃全校生徒の前で作文を発表する機会があり、この時は緊張のあまり手がぶるぶると震えて発表が終わるまでこの手の震えがおさまらなかった。 高校では吹奏楽部に所属していて、この時にも吹奏楽部として舞台上で演奏する時も緊張で手が震えるのを抑えるのにとても苦労した。 人前で緊張しないようにするにはどうしたらいいのか、僕にはまったく分からなかった。 大学では軽音楽サークルに所属してバンドを組んでいて、大学の学園祭でバンドで舞台上で演奏する時も緊張で手が震えていた。 また大学4年生の時の就職活動で受けた会社の面接試験でも、やはり緊張のあまり手が震えてしまい膝の上で手をぎゅっと握りしめていた。 大切な時に緊張する僕だけれど、今まで何とかその場をやり過ごしてきたと思っている。 でも、緊張して手が震えることで自分の思い描いたとおりにできず、後悔することが多い。 いざという時に頼りない僕だけれど、こんな僕でも同い年で仲の良い『華織(かおり)』という名前の女子の友達がいる。 華織とは高校の吹奏楽部で出会って、部活が終わってから一緒に帰ったり、休みの日に映画を観に行ったり買い物に行ったりする仲になった。 高校を卒業して華織は文学部の私立大学、僕は理工学部の私立大学といったように別々の大学に進学したけれど、どちらの大学も東京都内にあるため華織との友達関係は続いていた。 華織は東京都内の大学の女子寮に入って、僕は東京都内の学生向け賃貸アパートに入って、お互いの住まいは電車で20分程度で比較的近かった。 華織とは大学が終わってから一緒にレストランで食事したり、休みの日はテーマパークに遊びに行ったりして遊んでいた。 僕は華織のことが好きだけれど、なかなか自分の思いを伝えることができずにいた。 いわゆる、告白することができずにいた。 だから僕は、華織とは友達の関係を続けていると思っていた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!