ついに……!?

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ついに……!?

「みーちゃんが 5さいに なったら、赤ちゃん おなかから 出てくるよ」  お父さんは そう言って いました。    たいへん です!  このままでは『やぼう』が はたせません。  でも、“そっと さわろう作戦”は ききません。  だから みーちゃんは、  赤ちゃんに たくさん 話しかけました。  “なかよし 作戦”です。    はじめて会う お友だちと、  お話しするうちに なかよく なったのを  思い出したからです。    でも、みーちゃんが 話しはじめると  赤ちゃんは しずかになります。 「みーちゃんの お話が おもしろいのよ」  そう お母さんが なぐさめてくれても  いみが ありません。 「これなら どーだ!」  “くすぐったら ふるえちゃった作戦”です!  みーちゃんは お母さんの おなかを  くすぐってみました。    ざんねんながら、お母さんの かたが  ふるえただけ でした。 「どうしたら うまくいくかなぁ」 「おひるね したら 思いつくんじゃない?」 「やだ。いま さわりたいの!」  みーちゃんは いっしょうけんめい 考えました。   (うーん、うーん……。  ……なんだか ねむくなって きちゃった)  *    かたを やさしく トントンされて  目がさめました。  みーちゃんの となりで、  お母さんも よこに なっていたようです。  お母さんは しずかに おなかを ゆびさしました。  みーちゃんは 目をゴシゴシしました。  お母さんの おなかが “ぶるっ”と  ふるえたように 見えたからです。  そーっと そーっと 手を 近づけます。  むねが ドキドキして、  それが だんだん 大きくなりました。    赤ちゃんに ドキドキが 聞こえませんように、  と みーちゃんは目をとじます。 「あ!」  みーちゃんの手に、  ぶるっ ぶるっと みじかいふるえが  つたわりました。    しゃっくりの ふるえです。 「しゃっくりは 止めたくても 止まらないでしょう? だからね、お母さん まってたんだ」 「そうなんだ! 赤ちゃん しゃっくり がんばってるねぇ」 「ね。 みーちゃんも がんばったねぇ。ちゃんと やさしくタッチできたの、えらかったねぇ」  にこにこ しながら 「おめでとう」とお母さんが いいました。  みーちゃんの『やぼう』は  たっせい されたのです!
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