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それから それから
夕方、おしごとから 帰った お父さんは、
みーちゃんの ほうこくを聞いて かたまりました。
もともと『やぼう』は、
お父さんが 言いだしたものだったからです。
「父さん、みーちゃんのときも ふるえてるところ さわれなかったんだ……」
えんえんと なきまねをする お父さんの頭を、
みーちゃんは せのびをして ヨシヨシと なでました。
「だいじょぶよ。みーちゃん 分かったから。赤ちゃんの マネしてあげる!」
そうして ゆかに ころがると、
ヒックヒックと しゃっくりの マネをしました。
さいしょは 「おおー」と
みーちゃんの ふるえを かんじていた お父さん。
とつぜん、みーちゃんを こちょこちょと
くすぐり はじめます。
くすぐったい! と わらう声に
「はんのうしてる!」
と お母さんの さけび声が かさなりました。
みーちゃんと お父さんは すぐに かけよります。
小さな手と 大きな手が、
そっと お母さんの おなかに ふれたときでした。
“しかたないなぁ” とからかうみたいに、
二人の手に むかって、
ボコッと あたるものが ありました。
「けったぞ!」
「ボコって なったぁ!」
「よかったわねぇ」
赤ちゃんも うれしいのか、
なんども ボコボコ けってきます。
みんなは よろこびに ふるえたあと、
バンザイタッチ しました。
それからは みーちゃんが さわるたび、
赤ちゃんは“まってました”と言うように、
お母さんの おなかを ふるわせたのでした。
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