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1.マッチングは条件だけでするべきではない
政略結婚なんてものがあったのは遠い過去。
今では王族が国同士の親交の為にする時くらいしかなく、貴族に生まれたとしても何も不自由なく自由恋愛が楽しめるようになった、そんな時代。
“ご自由にどうぞ”なんてご時世になった結果逆に婚約者が出来ず、恋愛から遠ざかる人が増えた。
結婚したいけど相手がいない、自分に合う人がわからないーー⋯
下がる結婚率、進む少子化。
困り果てた国が出した新しい政策、それが『マッチング貴族』⋯!!!
「マッチング貴族って、ほんっとふざけた名前よね⋯」
なんて思わず呟くのは私こと、メイデン伯爵家の次女・レイラである。
魔法学園での成績が良かったせいで、やたらと喧嘩を売られことごとく返り討ちにしたせいか、花盛りの18歳を4年も過ぎた今もしれっと相手が出来ず⋯⋯
ふざけた名前だなんて思いながら、この『マッチング貴族』に登録した1人だ。
このマッチング貴族、名前こそパッパラパー感あるものの実情は国が管理している“ちゃんと身元が判明している”人限定で登録でき、しかも事前に出してあった希望に基づいて相性ピッタリの相手と出会わせてくれるというもので。
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