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いがみ合うようににらみ合い、そしてどちらともなくため息を吐いた。
どう考えてもまさに“犬猿の仲”だった私達の相性がいいなんてはずはなく⋯
「俺は優しくて聡明で、それでいて騎士という職業に最低限理解のある長子以外を依頼したのに⋯」
「優しくて聡明⋯?アンタに売られた喧嘩を全部買ってあげる優しさに返り討ちにするだけの聡明さ⋯。まさしく私じゃない!」
「はぁ!?」
「ついでに兄も騎士だからそこの理解もある次女よ」
「お前だな」
思わず納得し顔を見合せぽかんとする。
「アンタからはバッチリでも私は違うわ、私は真面目なのにちょっとお茶目なところもあって、あと兄が騎士だから最低限体を鍛えている人が良いって依頼したのに⋯」
「真面目なのにお茶目⋯?真面目に努力したのに勝てなくて勝負を挑んで負けちゃうお茶目さを持ってる、まさしく俺の事じゃないか!」
「はぁ!?」
「ついでにお兄様にはいつも世話になってる後輩騎士だ!」
「アンタだわ」
今度はお互い納得して、やはりまたぽかんと顔を見合せた。
「「⋯⋯⋯。」」
どうやら性格は置いておいて、条件はまさにお互いピッタリ合致しているようで⋯
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