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“それに、マッチング貴族は事前に魔法調査で心も体も相性ピッタリ、なの⋯よね?”
犬猿の仲だったのは魔法学園時代。
つまり4年前⋯。
もしかしたらあの頃よりもお互い大人になり、性格も実は合うなんて事も⋯?
なんて考えたのはカイルも同じだったようで。
「とりあえず試しにデートでもしてみるか?」
「そうね、試しにデートするのも悪くないわね」
なんて私達はひとまず王都に出ることになった、のだが⋯。
「あー、とりあえずオペラでも行くか?」
それは貴族のデートには定番過ぎるほど定番、まさしく安牌という提案なのだが。
「却下よ、好みの演目じゃないわ」
「おまっ、人が折角⋯!」
「じゃあカイルはこれ観たいの?『お馬鹿な男爵とトイレの砂の50連想』」
「正直興味はねぇな⋯」
「でしょ」
“とはいえ⋯”
ザクッと却下したものの、代案があるわけでもなかったので思わず口を閉じた。
代案もなく、折角提案してくれたものを却下だけするって私もしかして最低⋯?
なんて気付き、少し居心地の悪さを感じていると。
「つか、レイラ相手に貴族の畏まったデートとか勿体ねぇな!お前なんてこっちで十分だろ」
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