14人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふ。大金じゃないんだよー、残念だね」
男は振り返り、僕たちに微笑んだ。
「まさか、臓器売買ですか」
と言って、川瀬が真っ青な顔をした。
「やだよ、殺されるの」
僕は川瀬の物騒過ぎる発言に身震いした。
「ブー、違います」
男はとても楽しそうに笑いながら、
こう尋ねてきた。
「キミたち、何年生?」
「え、5年生ですけど」
「それが何なんですか」
おどおどと答えた僕とは対照的に、
川瀬は男を睨みつけた。
「川瀬、止めろって」
今は男と普通に会話ができているが、
やっぱり力の強いオトナだから
逆上して僕たちを殺すかも知れない。
それは避けたかった。
最初のコメントを投稿しよう!