レベル07 真っ白インに原文ママ

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レベル07 真っ白インに原文ママ

 …――死屍累々。いや、魔々勇々。  それとも累々戦記か。まあ、どれにしろ冒険の書は消えたのだ。  つまり、  俺の死んでは生き返るという、ある意味で哲学的で天文学をも超えた文学が終わる。無論、音楽は音を楽しむと書き、音の学問ではない。いや、ちょっと待て。音楽こそ音を研究し尽くした、学問の極みではあるまいか。だからこそ、だ。  だからこそ敢えて音学と書かず、音楽と書くのではあるまいか。  まあ、逆説的にはというやつだな。  などと高尚なのか、妄想なのかが、暴走特急、構想中なのだが、それは、ひとえに、ちょっと前に純文学の世界に転生したからだろう。後遺症だ。俺自身はラノベの人間だからこそ、脳が、ナチュラルハイ・飛びます・飛びます、なのだ。 「ビチ、忘れてない? 大切な事を」  ほへっ?  大切な事を忘れてないか? だと?  さね魔人、それは、なんだ? 忘れるものの定番と言えばヴァイオリンだがな。 「いや、ヴァイオリンは、普通、忘れない。むしろヴァルカモニカこそ忘れられた土地さね。地元民に怒られるかもだけど、ムーミン谷のモデルはどこ? さね」  いや、それは過去のセンター試験での出題ミスだろうが。阿呆。  ……ムーミン谷のモデルは一般的にフィンランドとされている。  無論、スウェ-デン大使館のフェイスブックにもモデルになったのは、スウェーデン群島にあるブリード島です、とはなっている。いるがだな。ムーミン谷はムーミン谷なんだよ。サザエさん、や、まるちゃんが歳をとらないのと一緒だ。  それこそファンタジーで夢がある話なんだよ? なめるな、サザエさん時空を。  おおう?  まあ、クレヨンしんちゃんの場合は、いくらか事情が異なるという説あるがな。  兎に角。  忘れているものとは? と考えた。  いや、遺影ッ! を言い忘れた、もしくはジョンと叫ばなかった。ではないか? 「ビチ。相変わらず、脳が脳死してるレベルさね。野牛〔のうし〕がのそりとのろしをあげたくらいの大谷・ジャイアント馬場さね。……あ、世界線が違うさね」  済まぬ。  うるさい。さね魔人。俺にはソレくらいしか思い浮かばないんだよ。ほっとけ。 「香恋よ、ビチに期待する方が間違いなのだ。むしろ、そのレベルだからこそだろう? 我らがビチに期待するのはな。もちろん公序良俗違反でBANだがな」  パン中村は公認だとでも言いたいのか? ムキムキ言語。むむ。  ジョンドット五世、お前、本当に性格悪いな。むしろ、その歯に衣着せない物言いこそがお前のアイデンティティなのか。どちらにしろ音楽〔BGM〕をかけずに執筆活動に勤しむ、愛しのエリー君が、YOASOBIも、我慢、我慢だぜ?  で、じゃ、忘れているものはなんですか? 見つけいくいものですか? だぜ。  カバンの中も机の中も探したけれど、まだ見つからないのに、まだまだ探すぜ。  死ぬまでな。あ、死んでるか。俺。 「そうさね。復活の呪文さね。ビチが、ずっと入力し続けているのは。オッケ?」  復活の呪文だと? それがどうした。だからどうした。今北産業だ。よろしく。 「三行どころか一行で言えるさね。復活の呪文はパスワードさね。パスワードに電池や記憶媒体は必要ないさね。という事は冒険の書が消える事もないさね?」  クぅぅ!  確かにな。確かに、さね魔人の言う通り。復活の呪文に冒険の書など必要ない。  アレは単なるフェイク。いや、邪推すれば、さね魔人とムキムキ言語が仕組んだ罠。俺様が、やったぜ、これで安らかに死ねる、とか安心した様を見て、ほくそ笑む為のトラップ。ルーミーとキットン、ノル、そしてクレイとシロちゃん。  俺はパステルだ。あ、男の娘じゃないけど、てへとか言ってペロを付けておく。  マジ卍。  いやいや、今北荷業だ。それは荷業だろうが、二行だ。遺影ッ! 「必死さね。まあ、荷業だろうと産業だろうと紙業だろうと、もちろん産業からの規模縮小な市業〔いちぎょう〕だろうと忘れていた事には変わりないさね?」  ジョン。  反省だ。 「まあ、反省だけなら猿にも出来るわさ。でも猿でも分かるシリーズは絶対に猿には分からんとか思うさね。もちろん猿でも分かるシリーズは読んでないけど」  えへん。  といえば龍角散さね。あ、ヴイックスドロップか。エヘン虫は。  と笑う、さね魔人。嗤う。クソう。  だがな、聞け。猿にも出来る事が出来ないのが、この俺。モブキングなのだッ!  ハーハハハッ! 残念だったな。反省などフリよ。フリーメイソンなのだよッ!  信じるか信じないかは貴方次第とか、いつも言ってるくせにだ。  信じないと、途端、真っ赤になり怒り出す誰かさんをも超える。  お猿の顔に脳をつけてだ。野郎は。  関取の暁緒関だぜ? 残念、文字モザイク、ピーだぜ。遺影ッ!  このモザイク、イライザにでも解いてもらえ。オーケーシリとな。OK-2だ。 「だろう。香恋。ビチは、こういうヤツなのだ。だからこそ観察するに値するとも言えるが、まともに相手をしていたら、こっちの脳が、やられてしまうぞ?」  まあ、ジョンドット五世のソレは、この際、無視だ。素無視だ。  それよりも、そうか。そうだったのだ。俺は、ずっと復活の呪文としてパスワードを入力し続けていた。という事は電池切れや接触不良によって冒険の書が消えても、なんら問題はないのだ。むしろ冒険の書など必要とすらしない。やられた。  クソう。 「オッケ。お前ら〔ビチ〕の気持ちは良く分かった。じゃ、そろそろ恒例の……」  タカさんチェックか? 知ってるヤツいるのか? 今どき産業。  もはやボケる気力もない。さね魔人よ。むしろ死にたい。消えたい。ここから。  ザンギエフと春麗が戦っていたらザンギがチャムチャム化したくらいの落ち込み度合だ。いや、むしろ、吉宗化か。ああ、モブの仕事を終え、家に帰ってゲームをやっていた頃が懐かしい。……って? はれ? るや? ゲームだって?  ちょっと待て。ゲームの存在は知っているが。甘美な幻聴と幻覚によってだな。  だが、やった事などない。そんな複雑怪奇なる道具は元いた世界にはなかった。  それでも、記憶の中には、俺が仕事を終えて家に帰り、そのあとPS5などという謎の箱に在るスイッチを押してゲームを始めるというものが確かにある。そのゲームのパッケージの手触り、コントローラーの感触など、リアル、そのものだ。  3DOREALじゃくなくてPS5だ、という下らないギャグが浮かぶほどに。  何故だ?  何故なんだ? というか、俺は本当にファンタジー世界の住人でモブだったのか? モブキングを目指すモブだったのか? 本当に……。その答えは、多分、さね魔人とムキムキ言語が知っている。だからこそ俺を蘇らせ続けるのだ。  果て、俺は知る。俺が、何故、ビチと呼ばれるのか。そして蘇り続けるのかを。  今は、まだジョンとだけ。遺影ッ!
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