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前の人の教習が終わった
「あ、じゃあ次、私の番だから」
「おお」
私が車の方に行こうとすると
「なんか、雰囲気変わったな、松本」
「え?」
「…いや…なんでもねぇ、じゃあな」
そう言って、別れた
健斗は、相変わらずかっこよかったけど
でも、それ以上の気持ちは湧いて来なくて
あの時の恋は、
私の中で本当に終わってたんだな
いまは、フツーの友達
それにしても、この近くに住んでるとは
親のマンション
やっぱ親、金持ち…
◇◇◇◇
その日の夜、陸からいつもの
定期メッセージがあったのだが
「来週末にも帰れそうだ」
と、書いてあって
穂佳は小躍りしたくなった
ベッドに寝転び、枕を抱えながら
ごろごろして喜びを抑えきれない
ご飯、何作ってあげようかな
どこに連れてってもらおうかな
先の楽しみができて、早速ママに報告すると
「はいはい、良かったわね」
と、軽く流されてしまったが
上機嫌の穂佳は、まったく気にする事なく
鼻歌まじりにお風呂へ入るのだった
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