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毛布にくるまれた少女たちは、目を閉じて横たわっている。死んでいる訳ではない。小さく膨らんだ胸が静かに呼吸を繰り返している。
まるで眠れる美少女だ。
何か薬でも飲まされているのだろうか。寝息だけで、動こうとしない。当然、荷台から逃げる子もいない。
集まった町の大人の男は8人、眠れる少女も8人。
予約でもしていたのだろうか。丁度、対になっている。
降りしきる雪の中、
男たちの中で震えている者は一人もいない。むしろその体は燃えるように熱くなっている。
「俺は、あのぽっちゃりした子がいいな」
ごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
「早く持って帰りたい」別の男が言った。
その様子をサンタは満足そうに見ている。
「さあ、みなさんのご希望の子を取り揃えております。お好きな子をどうぞ」
サンタはそう言って、「取り合いになって喧嘩はなされないように」と制するように言った。
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