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「あの音波を受けると、勝手に子供がやってくるからなあ。便利な物を作ったものだ」
一人のサンタが満足そうに言うと、もう一人が、
「子供たちの玩具に、仕掛けを仕込む作業も大変だった」と言った。
彼らの話を告げ合わせると見えてくるものがある。
クリスマスの夜、サンタが子供に届けていた縫いぐるみや、ゲーム機などの玩具には何か音波が発信される物が仕込まれていたということだ。もちろん普通の大人には聞こえない音だ。
子供だけが独自の音を捉え、その発信源に向かうようになっている。
サンタの雇用主の所に集められた子供たちには、自分の意思を失くす処置が施される。
そうなった子供は、親が誰であるか分からないし、探そうともしない。
つまり、ただ主に尽くす人形のようになる。
これほど都合の良いものがあるだろうか。
大人たちに異性のプレゼントを配ると、やがて子供たちが生まれる。
それは必然だ。
欲望のある所に、その法則は引き継がれる。
そして、サンタの属する組織は、A町とB町のそれぞれから金銭を受け取る。
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