雪の中の取引

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雪の中の取引

◆雪の中の取引  目を疑う闇の取引はクリスマスの季節に行われる。  シャンシャンという鈴の音と共に町の大通りをサンタのソリが現れる。  もちろん、その荷台には何かが積まれている。  おそらくプレゼントだと思われるが、その大きさは異様だ。それにソリが一台では足りないのか、別の台車のような物が繋げられている。  この時間は子供へのプレゼントを配る時間ではない。  その時間にはジングルベルやサンタの歌が町の中に流れているはずだが、今は聞こえない。  他に大きく異なる点がある。  サンタクロースの顔にあるはずの・・サンタのトレードマークの髭がない。  髭のないサンタは、人相が悪く見えるはずだが、雪を被ったその顔は何故か優しく見えるから不思議だ。これも雪の魔力というものだろう。  サンタは優しく見えるかもしれないが、サンタが大人たちへのプレゼントとして持ってきたものはそうではない。  むしろ犯罪に近い物だ。  犯罪に近い物・・それを喜ぶ人間は大勢いる。
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