雪の中の取引

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 最初は「プレゼントに金を取るのか?」と言っていた男たちも、今は文句一つ言わない。  町の子孫の存続と、自分の欲望を満たすためだ。  金銭感覚が麻痺して、毎年、ぐんぐん上がり続ける対価に気づかない。 「最近、高くなったんじゃないか?」  小言を言った大人の男にサンタは必ずこう言う。 「ですが、我慢できないのではないでしょうか?」  サンタは男たちの欲望を見透かしたように言った。  すると男たちは「分かった。分かったから、早く見せてくれ」と急かした。  するとサンタは集まった男たちの前で、「どうぞ!」と言って、荷台を覆った帆布をバッと取り去った。  するとそこにあった物・・いや、人間は、  いずれも年端もいかない少女たちだった。
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