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2-7
ガーーー、ザワザワ……。
30分程度、店内に居ることができた。また今度連れ来てやる。そう言われた。こんな会話はいつものことなのに、懐かしいと思うぐらいに、久しぶりに出かけている。
(……今度はいつ来れるかな?)
黒崎の方は飲み会続きの時期がやって来た。俺の方も仕事が詰まっている。音楽番組の収録、5月のコンサートの打ち合わせ、新曲のジャケット撮影、封入特典のデザインなどだ。有難いことだ。デビュー後の予定が決まっていなくて沈んでいたら、そんな心配はなかった。俺達のことをじっくり育てるために、細かく打ち合わせして仕事を取っていたことを知った。
「さっきからどうした?様子がおかしいぞ」
「考えごとだよ……」
「どんなことだ?」
「ナーバスになったんだ。こんな時にって」
黒崎には隠し事はしない。お互いにそう約束した。聞きたくないことでも、聞かせたくないことでも、全てオープンだ。
「やり切った感があるんだ」
「……そういうことか。おいで」
「……え?」
早足で歩き始めた。手は繋いだままだ。家に帰ってゆっくり休めと言われた。その声は優しかった。
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