第一章 運命の出会い

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貧乏な家庭で育った彼女は、俺を嫌っていた。 「苦労したり、悩んだりしたことないでしょ」 「そんなことないよ、俺だって悩んだりすることはある」 「そう」 先輩がお疲れさまって飲みに誘ってくれても、いつも会計は俺だった。 彼女はそもそも飲み会にこない。 俺は彼女とじっくり話したかった。 ある日二人で出かける誘いをした。 彼女は誘いに乗ってくれた。 有名なレストランを予約して、バーで酒を飲んだ。 「今度休みに一緒にでかけないか」 「それってお付き合いの申し込み?」 俺の誘いに彼女は答えた。 「うん、結婚を前提に付き合いたい」 俺の言葉に彼女はにっこり微笑んだ。 (マジ?OKってことだよな) 俺はウキウキしていた。 しかし、デートのたびに金を貸してほしいとせがまれた。 彼女に渡した金は数十万を超えた。 それでも俺は彼女と結婚したかった。
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