第一章 運命の出会い

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第一章 運命の出会い

第一章 運命の出会い 俺は桂木ホテルリゾートの社長、桂木廉也 女性の綺麗な涙は見たことがない。 俺は騙されてしまった苦い経験がある。 大学卒業後、親父の会社桂木ホテルリゾートに入社した。 同期入社の連中は、俺が御曹司と言うことで、羨望の眼差しを向けていた。 新入社員は本社ではなく、現場での仕事を与えられた。 関西部門のホテルで研修をしていた時、知り合ったのが、前園ひかるだった。 彼女は中途入社で、俺よりも年上だった。 他のスタッフは俺が御曹司ということもあり、気遣いが半端なかった。 思ってもいないことを口にし、俺を持ち上げた態度をとる。 俺は生まれたときから、本当の友達はいなかった。 彼女の存在もいない時期はないくらいだった。 でも、俺が一途に思っても、結局金目当てだったり、騙されることがほとんどだった。 前園ひかるは黙々と仕事をするタイプだった。 俺から声を掛けた。
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