プロローグ:『電脳セキュリティ』

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“……なんて言っても、ただのバイトなんだけどね”  仕事内容も、やはり私が高校生だからか放課後から数時間だけダイブし、問題がないかパトロールするだけのことがほとんど。  警察ドラマで観るような派手なアクションなんてほとんどなく、想像よりもずっと地味。   「でもさ、女子高生警察ってパワーワード過ぎ」 「警察とは違って公的機関じゃないから、民間の警備員の方が近いけどね」  それでも凄いよ、なんて私をキラキラした瞳で見つめていた友人は、注文していたポテトフライが届いた途端にそのキラキラした視線をポテトへとあっさり移す。 「ね、今日CCで軽音部の皆がライブするんだけど、潜る?」 「潜る……けど、今日はバイトの日だから観れないや」 「残念ー、次こそ観に行こ」 「皆にもごめんって言っといて」  そんな会話を交わしながら、私も目の前に置かれたポテトへ手を伸ばしたのだった。 「思ったより遅くなっちゃった……!」  友達と解散した後、少し小走りで家に帰る。  現在16時半。バイトの時間までのあと一時間半で、ご飯と出来ればお風呂も終わらせてしまいたいところで。  
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