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「お、亜由今帰りか?」
「巧くん!」
丁度玄関の鍵を探しているところに後ろから声をかけられる。
振り向いた先にいたのは母親同士が同僚、かつ仲良しだったお陰で本当の兄妹のように育った隣の家のお兄ちゃんで。
「おかえり、飯食ってくか?」
ふわりと微笑む巧くんにドキリとする。
“無駄に顔が整ってるんだから!”
お互いの両親が共働きだったため、昔から巧くんの家で晩ご飯を食べていて。
“でも、今日バイト18時からだしな……”
「ダイブするの18時だろ?」
「なっ、なんで知ってるの!?」
口に出してないはずなのに絶妙なタイミングで言い当てられてギョッとすると、ふはっと巧くんが吹き出した。
「この時間に走って帰ってきたならわかるっつの」
「確かに」
その説明に納得した私は、ちらりとスマホの画面で時間を確認して。
“でもお風呂も入りたいんだよね”
「今日はやめとく」
「了解、バイト頑張れよ」
そう返事をし、それぞれの家に帰ったのだった。
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