手を伸ばさずにはいられなくて

14/23
前へ
/23ページ
次へ
 帰りのホームルームが終わり先生が教室を出る。  少し待って、私も教室を出て職員室に向かった。  職員室のドアをノックしてドアを開けると、先生がこっちに向かって歩いて来た。 「進路相談室行くぞ」 「…はい」  3部屋離れた進路相談室に向かう早足の先生に付いて行く。  向かい合わせに座った私の前に日本史の解答用紙が置かれた。 「どういうつもり?」  その言葉の意味をすぐには理解できず、私は目の前の解答用紙に視線を落とした。  全身が一瞬で冷たくなるのを感じ、手の平が汗ばむ。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加