手を伸ばさずにはいられなくて

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… 「亜矢ぁー…次、平岡とも写真撮ろうよー」 「うん、先行ってて」  次々に声をかけられて携帯に笑顔を向ける先生を遠くから見つめる。  結局ずっと、好きなままだった。  大好きなままだった。 「バイバイ、先生…」  背を向けて歩き出す。  嫌われるくらいならおまじないなんてするんじゃなかった…。  バカな夢なんて見ずにその他大勢の生徒の中の1人のまま、あの写真の中に写りたかった。  その方がずっとずっとマシだった。 「記憶を消すおまじないとかないのかな…」 …なんて、無意識に呟いた自分に笑えてきた。
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