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「では、今月の定例会議を始めます。」
会議室に集まったのは私含め4人。
余計なことで頭を悩ませたくないので私はそれぞれA、B、Cと呼んでいる。みんな名前で呼んでくれというが、そんなことはこちらの都合に関係ない。
「あれ?Eはどこに行ったん?てか、聞いて聞いて!推しのライブ、当たったんだ~!!」
Aは相変わらず能天気だ。今日も元気そうで何より。
「…うるさいですよ…。Eはほら、殺され…」
Bは心底迷惑そうな顔をしている。ほんと、ここ仲悪いな。もう少し仲良くしてもらいたいんだけど。
「え?そうだっけ?あっ。そうだそうだ。Cが殺したんだよね~?」
「そうよ。邪魔者は削除対象になる。そうでしょ、D?」
この子、地味に厄介なんだよなあ。変に冷酷だし。私が言うのもあれだけど、たぶんこの子はサイコパス。人殺してもなんとも思ってない。プラスの感情も、マイナスの感情も帯びていない、冷淡な目。今この子は何を考えているんだろう、と常に疑問に思う。
「まあ、Cがいるからこうしてメンバーは入れ替わるわけで。」
Cは極力刺激してはいけない。
「でもさー、あいつ残そうって先月決めたよね?なんで殺したの?」
お願いだからだまってA!!この馬鹿!!
「…私も…そう…思います。…なんで殺したんですか…。」
おっと?内気なBまでこう言う?
「別に。あいつのせいで問題が起きたなら、その責任は取らせるべきでしょ」
Cは飄々としている。
ザ・いつも通り。うんうん。
「えー?会議の決定変えちゃダメなんじゃなかった?」
「状況変わったからノーカン」
「まっ。いっか。でさ、推しのライブの話なんだけど…」
「A?」
「うん?」
にこにこ笑顔のAに向かってこちらも笑顔を向けてやる。
「ごごごごごめん!新メンバーの話だよね!うんうん!そうだねどうしようかー」
「……何人候補?」
「今回は3人。Aっぽいのと、スキゾイドと、泣き虫って感じ。」
「え!私っぽいのいるの?やったー!仲良くなれるかな?ってかスキゾイドって何?」
「何言ってるんだA。同系統の奴はこのコミュニティーに必要ない。最初の奴は論外だ」
「スキゾイドっていうのは、社会や他者に関心がない、意志がない、覇気がない、やる気がない、感情の起伏がない人のことよ」
「…Dは誰がいいと思う?」
「うーん。なんともいえないよね。Cの言う通り、1、あ、1人目ね。1はないかな。でも後の二人は若干ニューフェイスって感じだから一旦様子見って思ってる」
「さんせー!!B,Cはどう思う?」
「…Dが言うなら。」
「合理的だね。いいんじゃない?排除対象になればいつでも消してやるから安心しな」
そうして2択に絞られた。
面接者1はマニュアル覚え損だが、まあ、終わったら即Cに消してもらうし、情報流出の可能性はない。
はあー今日も頑張ったな。
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