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「お前が悪いんだろ!いつもいつも俺にばっかり責任押し付けてさあ!!」
「何よ?少しくらい家事手伝ってくれてもいいでしょ?」
「は?俺は疲れてんの。誰の金で暮らしてると思ってんの?」
幼少期、両親は家で喧嘩ばかりしていた。妹も生まれたばかりで大変だったからだと思う。お母さんはいつもイライラしてて、私は常にびくびくしてた。
あっ。手が滑って、お母さんのマグカップを落としてしまった。
「ひっ。」
声にならない悲鳴をあげ、無慈悲にもマグカップは粉々に。
「何したのっ!!?」
お母さんの金切り声が家に響き、まだ小さい妹がベッドで泣き出した。
「あーもううるっさいわね!!」
お母さんの怒鳴り声と妹の泣きじゃくる声が重なって、ぐわんぐわん聞こえた。
心の中で「ごめんなさい」と「もうやめて」を何百回も唱えた。
「あんたたちなんて、産むんじゃなかった。」
そういわれたとき、私の中に黒いものが見えた。そして、心が震えたことをよく覚えている。怖かったから?違う。
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