削除対象

6/24
前へ
/24ページ
次へ
「お前が悪いんだろ!いつもいつも俺にばっかり責任押し付けてさあ!!」 「何よ?少しくらい家事手伝ってくれてもいいでしょ?」 「は?俺は疲れてんの。誰の金で暮らしてると思ってんの?」 幼少期、両親は家で喧嘩ばかりしていた。妹も生まれたばかりで大変だったからだと思う。お母さんはいつもイライラしてて、私は常にびくびくしてた。 あっ。手が滑って、お母さんのマグカップを落としてしまった。 「ひっ。」 声にならない悲鳴をあげ、無慈悲にもマグカップは粉々に。 「何したのっ!!?」 お母さんの金切り声が家に響き、まだ小さい妹がベッドで泣き出した。 「あーもううるっさいわね!!」 お母さんの怒鳴り声と妹の泣きじゃくる声が重なって、ぐわんぐわん聞こえた。 心の中で「ごめんなさい」と「もうやめて」を何百回も唱えた。 「あんたたちなんて、産むんじゃなかった。」 そういわれたとき、私の中に黒いものが見えた。そして、心が震えたことをよく覚えている。怖かったから?違う。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加