本当に怖いモノ

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 三時間ほどたち、縁もたけなわではありますが、とアルファが切り出す。 「明日も休みだろうけどそろそろお開きにしようか。次のイベント、アウストリデア強襲のイベントで会おう! みんな装備整えておけよ、めっちゃムズイからな」 「りょーかーい!」  各々返事をしてお疲れ様―とリモートが切られる中、俺はゆりりに個別にメッセージを送った。ちょっと映像つなげる? と問いかけるとすぐに画面に彼女の顔が映る。 「はいはーい。どうしたの?」  直接こちらに繋いでくれたので、俺は画像共有をする。俺の顔がぱっと画面に映った。 「こんばんは」 「え、あれ……ざるそば、さん?」  いきなり顔が出て驚いたのだろう、目を白黒させている。俺は小さく笑うと優しく声をかけた。 「いきなりごめんね」 「え、いやいやいいんだけど、え? え? ざるそばさんって超イケメンじゃないですか! かっこいい!」 「ありがとう」 「どうして顔出さなかったの?」 「いや、ちょっと女みたいな顔してるでしょ? 昔からオカマ~ってからかわれてきたから、自分の顔好きじゃなくて。でもゆりりさんともうちょっと話したくて、勇気を出してみました」  そう言って笑うと、彼女は目をキラキラさせている。 「女っぽいっていうか、中性的なのかな。全然、かっこいい! うわあ、嬉しい~、ありがとう!」 「そう言ってもらえると嬉しい。ねえ、さっきの飲み会でゆりりさんの好きなブランドとか話してたけど、都内住みかな? ブルーオーツって店、俺も知ってる。実は品川に住んでてよく行くんだよね」 「え、嘘! そうなの!?」  嬉しそうに言いちらりと目線が下がった。今俺が着ている服もさりげなくブランド品なのでチェックしたのだろう。カメラで見えるか見えないかぎりぎりのところにブランド名のロゴが入っているのだ。  品川に住んでいる、というだけで一つのステータスにもなる。今彼女の頭の中は俺がどんな人物なのかいろいろ想像しているに違いない。
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