嘘つき処刑ゲームの回避方法

2/3

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「えー、別に人に言えない秘密はないなあ。言える秘密はたくさんあるけど」  周囲の人間が息をのむのがわかった。はあ、はあ、と息遣いが荒い。何言ってんだコイツ、と思ってんだろうな。 『今のは本当ですね。嘘ではありません』 「だろうね、本当だし。ゲーム成立しないけどどうする?」  俺の問いかけに周囲がざわざわと困惑したようにしゃべり始めた。初めて死なない奴が出たから必死に自分の番になったらなんて言おうか考えてるんだろうな。 『では人に言える秘密を言ってください。嘘をついたら死にます』 「いいよ。えっと、ネットで知り合った人に成りすまして他の人と会って金を八百万くらいもらった事がある。お金返してって言ってきたから知り合いのヤクザに売り飛ばした。内臓が良い金になったよって売り上げの一割もらったっけな。あとはそうだな、金がない奴に他人の銀行口座スキミングさせるテクニックを二十万で教えた。まあその口座、ヤクの売人の口座で見つかったそいつボッコボコにされてそのあと行方不明になっちゃった。どうしたかなって思ってたらこの間ニュースでやってた、バラバラ殺人事件の首だけ見つかったやつ。年寄りと子供は基本蹴りたくなる。四年前町の監視カメラに映ったらいつ捕まるかってゲームして八人くらい蹴り飛ばして三人くらい死んだけどこの通り捕まってない。警察ってマジ無能だよね。自殺しようとビルの屋上で固まってる人がいたからいかに人生が素晴らしいかを熱く語って、泣きながら私生きてみるって言った女を蹴り落とした事ある。ちょっと面白かった。今まで殺した人数は数えてないから忘れたけど結構いる。金がない時殺したり、なんか暇だったから殺したり、とりあえず視界に入ったから殺したりいろいろ。この間ニュースで大騒ぎになったびっくりチキンみたいな顔して死んでた女の犯人は俺」  しいん、と静まり返った。俺が死んだか皆耳を澄ませているようだ。 『今のは本当ですね。嘘ではありません』
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加