春のbpm

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そっか、振られたのか俺は・・・。 その事実と先程の「好きになる要素がない」と言う言葉がぐるぐると自分の足に巻きついて離れない。一刻も早くこの場から立ち去りたかった。穴があったら入りたいとはよく言ったもので、まさに今の自分の心境はそれだ。穴に入って蓋をして、一生閉じこもっていたい。振られたことになのか、先程の言葉のせいなのか、色々とショックでグジャグジャだ。 明日からどうしよう。 いつも通り普通に接してもらえないだろうか。いや、それはおそらく無理だろう。 あの時、これまでの友人としての関係を壊してしまうと言う考えが、微かに頭をよぎったが、溢れて溢れて伝えずにはいられなくなってしまった。 そして、その一世一代の告白の返事があれだ。 だいたい、あそこまで言う必要はないではないか。 たしかに自分は、容姿から何まで平凡で、特出したところがない自覚はある。むしろ、コンプレックに思っている部分のほうが多いくらいだし。この顔のそばかすも、桜良と言う女みたいな名前も、好きな自分なんていないーー。
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