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「でもさあゴンボ、こうしている間にもいつ、あの国とかその国と戦争になるか分からないのよね?」
賑やかなグルービー学園のお昼休み。昼食を済ませて思い思いに教室に散らばる子供達。
肩まで伸びたストレートの銀髪を指先でくるくるしながら、クラリネが長いまつ毛をカスタネットの様にしぱしぱさせて言った。内緒話が出来ないタイプの、よく通る可愛らしい声だ。
「クラリネ、心配し過ぎ。
そんな簡単に戦争、始まらない。ただ、万が一の備え、必要。そのために俺達、ここで戦い方、学んでる」
口下手なゴンボは大きな手で、短く刈込んだ頭を掻いた。
背伸びして話しかけるクラリネが小柄とはいえ、彼女が背中に隠れてしまうほどゴンボは縦にも横にも大きく、同じ学年とは思えない。
その声も子供らしくない重低音だが、話し方は優しい。
「心配すんな。いざとなったら俺が守ってやるさクラリネ。ゴンボもついでに守ってやるから、そうやって鼻の下伸ばしてろよ」
「こらリュート、俺、鼻の下なんて伸ばしてない」
ふふん、と笑って返すリュート。ややハスキーでクールなハイトーンボイスで、赤い髪を逆立てた派手な外見の彼は目つきも鋭く、近寄りがたい雰囲気を漂わせているが、ゴンボをからかう眼差しは無邪気な少年のそれだった。
「おや、未来の『五線の騎士』の集会ですか?私も混ぜてください」
そこに担任のノピア先生が口を挟んだ。
「しかしですねえ。
確かに攻撃魔法はリュートが我が校で一番ですが、防御魔法ではゴンボが、筆記試験では魔法も一般教科もクラリネが我が校のトップです。
リュートは勉強を頑張らないと、どっちが守ってもらう事になりますかねえ、はてさて」
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